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2011年10月21日金曜日

自分という物語



近況報告

 突然ですが、私は生きています(笑)。 元気です!もうかれこれ4ヶ月の更新ぶりですね。
環境が変わり忙しかったのと、プライベート過ぎたら書けないし、公にしてはならないこともあるので...という中で、中々ブログ更新出来ずにおりました。メモ書き程度や呟き程度であれば、考えた事感じた事を気楽に書けるのでTwitterでは呟き過ぎている日々なのですが...。

 さて話は変わって、この度少しだけ2013年度卒対象の採用活動について、助っ人として携わることとなりました。最近、リアルでは知人の後輩、ネットではTwitterを通じて就活生からキャリア相談を受ける機会が増えて来ました。来月には朝活で知合いの方に招かれてイベントにも関わらせて頂く予定です。
個人的に活動に関わらせて頂いて幸せなのは、仕事環境として上司や同僚からも学ぶのは勿論、将来の優秀な部下からも学べる環境であるならば、創造的な企業組織になるだろうし、それに関われるのだと思うと楽しみで仕方ありません。


物語性のある人生

 一つだけ、本ブログで就活アドバイスというか、私が胆だと思う考えを紹介したいと思います。そして、これは就職活動のみならず普段の日常生活や、人生についてまでも深く関わる考え方だと思いますので、私自身の日々の反省も踏まえて書こうと思います。
 それは大事な時に「自分という物語」をきちんと語れるか否かについて。その物語についての人々や企業からの共感度によって、人々からの支援や企業からのオファーレター数が変ると思うということです。
 ここでいう「物語」とは、自分が登場人物であり、自分が何者で、今まで何をしてきて、これから何をしたいのかという未来をも示唆する予告付きの映画の様なものです(笑)。その物語は深く何かに自分が夢中に打ち込めるものを見つけて、それに没頭した経験や、広く未知との遭遇によって新しい世界や価値観に出会っていく予感をさせる経験があればある程、物語の豊かさが増します。
 さらに会社にも会社の物語を持っていて、就活生自身の物語シナリオとマッチするか吟味しますし、時代とともに、または会社の成長ステージによっても会社の物語シナリオが変わるでしょう。企業はその物語に登場する人物に”あなた”がいるべきかを考えています。


実はこの「物語」が非常に難しい。

 私自身新しい環境になって、日々忙しくさせてもらっている中で、自分の生き方は離散的なのではないか、何か連続的で繋がりがあって生きているのか…。自分のバックグラウンドは何で、何故今ここに立っているのか…。そう思うのですからもう大変(笑)。自分自身の歩みや考えの変化を追うのに苦労します。多分、それが普通なのかな。
 けれども詰まる所、その物語こそが自分の全てであって、この「自分という物語」がきちんと語れるか語れないかで、内定はおろか、配属後のキャリアパス、はたまた転職、人との関わり方までも影響するのではないでしょうか。勿論「自分の物語」を意識し過ぎた生き方だと、想定外の状況になった時にそれは破綻してしまいます。人生における大きな決断の際に「整理出来ているといいね」という程度のものです(笑)。 

Connecting the dots

 最近亡くなられたSteve Jobs氏の卒業スピーチの話の中で、「点を繋げること」がとても印象的であったのを思い出しました。彼の場合は、大学中退経験を挙げてこう語っています。

“私は中退していて普通の授業を受ける必要はなかった ので、文字芸術の授業を取ってその手法を学んだ。多くの美しいフォントや、文字の組み合わせによって文字間のスペースを変えること、さらに素晴らしい印刷物は何が素晴らしいのか等を学んだ。それは美しく、歴史的で、科学では捉えられない芸術的繊細さで、私には魅力的だった。これらのどれも私の人生で実際に活用する見込みはなかった。しかし10年後最初のMacを設計している時にそれが私に蘇ってきた。そしてそれをすべてマッキントッシュの設計に取り入れた。Macは美しい印刷技術を組み込んだ最初のコンピューターとなった。(中略)

先を見通して点を繋ぐことはできない。振り返って繋ぐことしかできない。だから将来何らかの形で点が繋がると信じなければならない。”

 この名スピーチは、受け取る側に様々なインスピレーションを与えてくれますが、「人生の役に立ったり糧になる事は後でしか分からないけれども、頑張らなければ点と点を繋ぐことすら出来ないよ。」と述べているようにも感じられます。先を見通して点を繋ぐなんていう器用な事は出来なくても、1つ1つのことに自信が持てるまでそれなりに真剣に取り組んだからこそ、最後に線で繋がった訳です。

後となって考えれば最良の選択という場合があるんですね。
振り返らないとその出来事の繋がりが解釈出来ない。
でもいつかは繋がるのだと意識して頑張り続けていなければ実を結ばない。
人生というものは不思議なものです。


 さて最後に、ご存知かもしれませんが、今年は経団連の「倫理憲章」見直しに伴い、採用広報活動が12月から、選考活動開始が4月からスタートします。就活生は短期化で焦るし、経団連に属さないベンチャーや外資は今まで通りなので、経団連に属する大手企業は採用活動の煩雑さに苛まれ、さらに良い人材が外資へ流れてしまうという事態になることが予想されます。本当に企業は自分で自分の首を絞めるだけですし、「一体誰得?」という状況なのですが... (人事部員の方々もお疲れ様です)。
従って、例年よりも2ヶ月間の採用活動短期化に伴い、早期に就職活動生自身が集中して臨まなければならなりません。

その時に、就活生が一番意識しなければならないもの。それは、「自分という物語」をきちんと語れるかに尽きると思います。私は会社説明会等の場面で、私自身の「物語」をお話させて頂く予定なので、お会いした時はよろしくお願いします。