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2012年1月29日日曜日

リーダーシップとは何か?

何かを成し遂げるリーダーをリーダーたらしめるには、ムーブメントの集団が必要であり、そのために必ずリーダーについていく人間がいることが重要なのだと思う。youtubeでTED動画を見ながらそう感じた。


この動画は組織がどのようにして形成されるかをたった3分で的確に説明している。リーダーといえば、何でも出来る人のように見えても、実際は孤独で自分のやっていることが本当に正しいのかいつも気にしている存在なのだ。それを隠して虚勢を張っている人では組織は回すことは出来ない。ある意味、リーダーは《人たらし》でなければならないと思う。ハッチャケ感はムーブメントを実現するために必要な要素なのではないか。


次に大事になってくるのは、この組織/活動をどう継続させていくか。マンネリ化はいつか訪れる。競合もいつか現れる。そういう時に、それまで社会に対する《改革》していた段階から自己組織に対する《改革》という経験を経た上で生き残った会社組織の本を読んだので、何かヒントになると思いbooklogにまとめてみた。その本の紹介をして今日のブログは終わりとしよう!


アニータ・ロディック
トランスワールドジャパン
発売日:2005-12

〜社会貢献とビジネスは相反するのだろうか?〜
否、一致することは可能なのだと本書は教えてくれる。

本書は、女性起業家で有名ブランド「THE BODY SHOP」の創始者アニータ・ロディックによるパワーに満ち溢れた自伝。昨今になって《社会起業》という言葉を多く見かける様になったが、美容化粧品ビジネスの中でも先駆けて天然原料、動物実験の反対、BOP、フェアトレード、健康美、女性進出等を働きかけ、政治的活動までしてきた企業である。特に驚いたのは「ビッグ・イシュー」に元々ボディショップが関わっていたことを初めて知った。

素晴しい製品を創ると、人々がそれゆえに利益をもたらしてくれる。それこそがビジネスでありコミュニティなのだと著者は主張する。実際に本書を読んで、アニータが経営をしていた時までは会社/取引パートナー/市場/社会を《コミュニティ》として捉える意識が非常に強い企業である印象を持った。

ただ残念なことに著者の思考には偏りがある。特に資本主義を毛嫌いしている感があり、読んでいる自分としては同意出来ない部分が多くあった。ただそれでも尊敬する点は、起業家としての愚直さと行動力、そしてブレない精神である。自分の信念が人間らしいビジネスのやり方だと感じているからこそ、こういう道を選んだ人なのだろう。ビジネスと倫理とを相容れるブレイク・スルーを実現した人なのだと思う。本当にビジョンの商人である。

と こ ろ が だ。本書は綺麗事だけではない。
後半になってくると《大企業病》の話があり、個人的にそこが非常に面白かった。
米国進出の際に、それまで『健康志向&社会貢献』イメージとして《市場一番乗り》の利点を活かし続けたボディショップが、他企業の追随によって多くのコピーキャット(模倣)マーケティングに見舞われる。また商品アイデアよりも製造に気を取られて重点を置いたため、経営戦略の見直しやリストラクチャリングに迫られる結果に陥っている。

「ボディショップはもうユニークでもなく、新しくもなく、刺激的でも、挑戦的でもないという事実に直面した」(p.232)

マンネリ化はいつか訪れる。社会を《改革》するために起業という道を選んで活動し、一度成功すると次に企業自らの《改革》が必要となる。この外と内なる2つの《改革》は必ずどの組織においても重要なのだと本書で学んだ。