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2012年8月18日土曜日

選択と価値

〜京都の老舗和菓子屋の話から本当のCSについて考える〜


以前研修の集まりで、偉い人から『営業の心構え』についてレクチャーがありました。その中で紹介された面白い小ネタを本ブログで共有しようかと思います。これは某証券会社の常務が新入社員たちに問うて答えられた新人がその後役員になれたという逸話のあるクイズです。


京都の由緒ある老舗ブランドの和菓子屋で丁稚(でっち:見習いの子ども)が表玄関の掃除をしていたら、物乞いが来店してきた。どうやらお金は十分にある様だった。それでも丁稚は物乞いを追い返した。そのことを店主に報告したら叱られた。

という話なんです。さて、その叱られた理由は何故か?というのが本クイズ。

「ホームレスだからといって差別してはいけない」からでしょうか。
「お金を持っているんだから平等に扱えば良い」からでしょうか。

もし仮に自分が物乞いだとしたら、お金を持ったら真っ先に何にお金を使うでしょうか?
普通、衣・食・住に関する消費を優先するのではないでしょうか。

それでもこのクイズの場合、物乞いは選択肢として他でもなく和菓子を選んでくれた。
その場合、通常客と物乞いのお金の価値は同じ額でも違うだろう。
だからこそ、通常の感謝以上に対応するべきであったのではないか。

というのが趣旨に沿う答えでした。


勿論このクイズには決まった正解など無いのですが、
このクイズは、「立場を完全置換すること」と「選択と価値」に着目して欲しいという趣旨の問いなのです。
確かにそう考えると、物乞いが手に握りしめたお金の価値が違って見えてきます。

昨今、どの企業も“顧客志向”や“CS(カスタマー・サティスファクション)”を強調して謳われているがために、かえって安易に捉えられがちです。そんな中このクイズは、敢えて立場を置き換えにくいであろう“物乞い”という人物を設定することで「どんな顧客も平等に扱い、差別してはならないから」では辿り着けない顧客志向の境地があるのだと気付かせてくれます。

顧客の立場、そして選択と価値を熟考することによって、『顧客の顔』が見えてくる答えではないでしょうか。
意識を完全に顧客へ置き換える(顧客になりきる)ことが営業における差別化のヒントとなり得る、
そう思えたクイズでした。



P.S.
お久しぶりです。都心は最高に暑い日が続いておりますね。炎天下ではクールビズも効果は余りありません。都内JRの駅ではポケモンのスタンプラリーをやっていて、お父さんと回っている子供の姿をあちこちで見かけます。随分と更新していなかったのですが、実はこの度連休を頂いて束の間のニート気分を堪能しております。
仕事をされている方は、日本経済浮上のため頑張って下さい笑