ページ

2010年8月29日日曜日

入ってみないと分からない世界での経験は非常に貴重なもの

2年前の自分は学費を稼いだり、一人暮らしのために触れた事も無いパチンコ屋さんでアルバイトをしていた。

どうやら日本では食品スーパーと同じくらい、パチンコ屋が建っているらしい。当時の学校(SFC)の最寄り駅の湘南台でも乱立していたし、地元の八王子もしかり。そんなパチンコ屋は現在、過当競争の状態にある。事実「レジャー白書」を見てみても分かるように、パチンコの総売上は横ばいで、パチンコ人口は減少、ところが設置台数が増加傾向にあることから、業界的に"規模"で勝負していく傾向にあるようだ。


自分はよく考えもせず高給料のパチンコ屋さんを選んだ。しかもその店では「パーソナルシステム」といって、ドル箱の運びがなく全てデジタルに表示され、カードにも記憶されている。働く身にとっては仕事が楽(?)そうだと思った。フロム・エーに載せらせる広告料は他社よりも高いということもあって、非常に人員を欲しがっているとも考えた。実際に月に最低でも15万ほどは稼いでいたはず。給料泥棒とはいえ、仕事はキツかったのだが。。 





パチンコ屋でのアルバイトのお仕事内容というものは、朝9時に朝の朝礼があり、軍隊さながらのかけ声をして、ドル箱拭きやトイレチェック(営業中にもやるが、たまにお客にトイレを壊されたり汚される)をする。早番は10時開店で18時まで、遅番では18時から24時までだ。


遅番は朝の準備が要らないため楽かもしれないが、混んでる状態での接客は頭がパンク状態に近くなるのでキツい。たまに他店調査という競合の集客力を調べる(店に入っている人数を数える。単純だが競合4店舗で比較的大規模な店なので大変だ)こともする。 




「はい、じゃーセーフ点検は?アウトは?貯玉は?換金率は?ベース異常は?」 

「えー、"客"の打ち出した玉の....」 

「お客様でしょ!」 

「すみません!」 



接客に関しては徹底的に指導されたと思う。恥ずかしくない様に、よく分からないパチンコ専門用語を一つ一つ覚える毎日を過ごしていた日々だった。



あのけむい中で(自分はスモーカーだがそれでも酷い)、チカチカした光とうるさい状態で、これでもかというくらいの大声を出し、引きつってでも笑顔でお客さんに接客し、怪しいゴト師がいないか警戒し、10秒に1回は入ってくるインカムで意思疎通し合うのは本当に難しい。ことうるさい中でのインカムは聞き取りづらい。 

店員も様々で、21歳でパパになるフリーターや、この仕事にプライドを持って厳しくするギャル、パチンコに相当詳しい先輩社員、、、そうした彼らは自分とは全くバックグラウンドが違う。だから面白かった。パチンコもスロットもやったことない自分に対し、丁寧にそして厳しく業務を教えてくれた。仕事が出来る人をロールモデルにしたり色々工夫してみた。そのお陰で「新規会員獲得」やスロットの「目押し」が出来る様になった。 

車いすのお客が席に座る手伝いをしたり、背の高い"ノッポさん"から「髪きったね!」とか言われ、トイレチェックしてると1パチでよく遊ばれる疲れた"ジャックバウアー"似のお客に「夜勤明けなんだよぉ」とボヤかれ「お疲れさまです」と申し上げる日々を送ると、なんとなく常連さんを覚えていく。 



パチンコ屋さんでのアルバイトは非常にストレスのたまる仕事だし、リスクも高い。けれどもこうして改めて今思えば、接客、パチンコ産業、パチンコ中毒、年金の流れ(老人が多い)、人間関係、自分自身で学びがあった日々だった。足を踏み入れてみないと分からない世界で、自分が経験したことは非常に貴重だ。 



ちなみに「パチンコの経済学」という本によると、パチンコ屋を取り締まる法律は「風俗営業適正化法」であり、警察庁が管轄する業法である。この法律が証券取引所として投資家の保護の観点から恐れる要因があることから、ホール(パチンコ屋)が上場したことは未だにないらしい。他にも
遊技機メーカーとホールの力関係は収益力にあることが本書で紹介されていて面白い。興味ある方は一読を☆

2 件のコメント:

  1. 外から見ててもわからない業界って、中を知ると面白いですよね!

    それに、人は自分の姿勢次第でどんなところででも学びを得ることができると思いますが、パチンコのアルバイトでその姿勢を忘れなかったコタローさんはすごいと思います!

    返信削除
  2. 楠木くん
    カナダからコメントありがとー! 確かに姿勢次第では、反面教師だとしても学べるよね。まぁそれを活かさなきゃだねぇ。

    返信削除